COP15
地球温暖化について世界の国々が話し合う「COP(こっぷ)15」が、 先週、デンマークの首都コペンハーゲンで始まりました。 会議のポイントは何でしょう?
COPというのは英語でConference Of the Parties、 つまりその問題に関わる国の会議、という意味です。 15回目の会議なので、COP15というのです。
温暖化は、地球全体に関わる問題なので、190もの国と地域から1万5000人が集まって、 対策をどうするか話し合います。
地球温暖化の原因になっているのは、二酸化炭素などの温室効果ガスです。 これらのガスが増えると、地球が覆われて、温室のようになり温度が上がるのです。
その結果、将来、空気が乾いて砂漠が広がったり、 南極などの氷が溶け、海の水が増えて島が沈んでしまったりすると言われています。 だから、減らすための話し合いが行われているのです。
12年前、COP3、つまり3回目の会議が日本の京都で行われました。 ここで初めて、どのくらい減らすかの目標が決められました。 これが京都議定書です。
この中では、日本やカナダ、それにヨーロッパなどの国々が 2012年までに1990年と比べて5%以上、温室効果ガスを減らすと約束しています。
しかし、世界全体の温室効果ガスは、その後も増え続けました。 一昨年の世界の量はおよそ290億トン。1990年と比べると30%も増えているのです。 最もたくさん出しているのは中国で、61億トン。次がアメリカの58億トン。 EU=ヨーロッパ連合が39億トン。日本は12億トンあまりです。
しかし、京都議定書には、中国とアメリカが入っていません。 だから、この2つの国を入れて、きちんと目標を立て直さなければならない、 ということで会議が開かれているのです。
目標は2020年までにどのくらい減らすか。会議を前に、各国が自分たちの目標を相次いで発表しました。 日本は25%、アメリカは17%、そして中国は何と40%以上です。
これだけ減らすのなら、会議はまとまりそうですよね。 でも、実際はそうでもなさそうです。 どういうことなのか、劇で見てもらいましょう。
日本「私たちは、2020年までに1990年と比べて温室効果ガスを25%減らします!」 米国「そんなの本当に実現できるんですか?うちは実現可能な17%減らすことにしますよ。」 日本「何を言ってるんですか、それは2005年に比べた数字でしょ。 1990年から考えると、5%しか減らないでしょ。」 中国「ちょっとちょっと、先進国さんはもっと頑張ってくださいよ。私は、40%から45%も減らすんですから。」 米国「ホワット?中国さんは経済が成長しているんだから、 それを考えると2005年と比べても実際には2倍近くに増えるでしょ。」
このように、各国の基準がばらばらで、会議をまとめるのはなかなか難しそうです。
会議は来週まで。 最終日の18日には、鳩山総理大臣やオバマ大統領をはじめ、各国のトップが集まって、話し合いが行われます。 正式な目標である新しい議定書を早めに作れるためには、 ここで、互いに納得できる目標を決められるかどうかが大きなポイントです。
日本の25%はあまりに現実離れした目標です。 アメリカは有耶無耶にしたいのでしょうか?発言がどうも消極的です。 中国は逆に増えてしまうでしょう。減らす気はないようです。
テーマ:日本を正常な国に戻したい - ジャンル:政治・経済
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