補正予算案
民主党の小沢代表が辞め、新しい代表に鳩山さんが決まりましたね。 この時、政治に関してはこのニュース一色で、それにかき消されてしまったようになりましたが、 とても重要なことが国会で決まりました。 補正予算です。
予算というのは、国がこの1年間、どんなことにお金を使うのか、その使い道の事です。 どんなことに使うかはとても大切なので、法律と同じように国会で決めます。
例えば子供が受ける教育とか、お年寄りや障害のある人を助けるための福祉とか。 国民に配られる定額給付金も、この予算で決まりました。 その他にも色々なモノにお金が必要です。 今年の4月から来年3月まで、これを「年度」と言いますね。 この間の日本の予算は88兆円です。
いったん決めた予算にプラスしてお金が必要なときに作られるのが「補正予算」です。 今、予算を決めたときより、もっと景気が悪くなっています。 景気を良くする為には、もっと沢山お金が必要だと言うことで、補正予算を作る事になったのです。
今回の補正予算は14兆円。これまでで最も多い金額です。 予算が決まらないとお金が使えなくなり、何もできなくなるので、 他の法律とは違う特別な決まりがあります。
国会には衆議院と参議院があります。 普通は、両方がOKしないといけないんですが、 予算の場合は、まず衆議院で話し合われ、そこで決まると、参議院がOKしなくても良いんです。 30日経ったら、衆議院の言った通りに決まってしまいます。 だから、今回も、たとえ参議院が話し合わなくても、6月12日には、補正予算が決まります。
補正予算では、景気を良くする為に、仕事をなくした人が就職できるようにする対策のほか、 ハイブリッド車などの燃料を使わない車や、電気を使う量が少ないテレビやエアコンなどを買えば、 得するような対策が行われます。
たとえば、失業した人が就職すれば、給料をもらうようになります。 そうすれば、生活が安定して、洋服や車、テレビなどを買うようになりますね。 ものが売れるようになれば、それを作っている会社がもうかります。 会社がもうかったら、給料が高くなって、また買い物をしてくれます。
こうやって、景気を回復しようというのです。
今回の予算と補正予算は、あわせて102兆円。 これだけの金額をどうやって用意しているのでしょう?
一つは税金。 国民の給料や会社のもうけ、それから、ものを買ったときにも税金がかかっているよね。 この税金が46兆円です。 その他の収入も、予算と補正予算を合わせて12兆円あります。 でも、とっても足りません。
この足りない分を、国はどうしているかというと、実は借金しているんです。 この借金のことを国債と言います。
国が出しているので安心できるし、 貸したときより多くのお金を返してくれるので、日本や外国の会社、 私たちのような一般の人も引き受けています。
この国債、つまり借金の額は44兆円。補正予算はほとんどが借金です。
予算には、色々なものがあると言ったよね。 このうちの20兆円は、なんと借金を返すために使われているんです。
日本の法律は、国は特別な場合でないと借金をしてはいけないと決めています。 それなのに、毎年、「ことしは特別だ」と言って、 国はわざわざ法律を作ってまで借金を重ねているんです。
こうして溜まった日本の借金は、590兆円。 アメリカやヨーロッパと比べても最悪だと言われています。 借りたお金は結局、税金で返さなければならないので、 どんどん若い人たちにツケが回っているんだね。
景気を回復する為だと言っても、さらに借金を重ねてまで、お金を使っていいのか。 また、予算には無駄使いがあるので、それを先に減らすべきだなどの意見があります。 こういった点をきちんと話し合わなければならなかったのに、 ほとんど話し合われないまま、補正予算が決まりました。
国会議員の人たちは、本当に何を話し合わなければならないのか、 きちんと考えてほしいと思います。
テーマ:それでいいのか日本国民 - ジャンル:政治・経済
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