新型インフルエンザが、世界中に広がっています。 感染した人はあわせて21の国と1552の地域で、2955人、死者は101人に上っています。 (6日午前1時現在)
隣の韓国でも女性が感染していることが解りました。
世界の人々の健康を守る活動をしている、WHO=世界保健機関は緊急事態だとして、 新型インフルエンザの大流行に気をつけるよう、各国に呼びかけています。
日本では現在4人が感染疑いとされています。
この新型インフルエンザ、いったいどんな病気なのでしょうか?
それには、まずインフルエンザという病気を理解する必要があります。
インフルエンザというのは、ウイルスという、 目に見えないほど小さなものが体の中に入ることで起こります。 ウイルスが体の中で無数に増えて、38度以上の高い熱をはじめ、 咳や鼻水、そして、のどや体の節々の痛みなどを引き起こします。 今回の新型インフルエンザも、同じような症状が起きることがわかっています。
インフルエンザのウイルスには、たくさんの種類があります。 人に病気を引き起こすものほか、鳥や馬、クジラなどに感染するもの。 それぞれの動物で、かかるウイルスは違い、普通、同じ動物の間でしかうつりません。
でも、鳥インフルエンザのウイルスは、ときどき人に感染することが知られていますね。 ウイルスをいっぱい吸い込んだ場合などです。 だから、ニワトリの近くで暮らすインドネシアやベトナムなどを中心に、 患者が出て、中には亡くなった人もいます。
そして、インフルエンザのウイルスの特徴として、とても変化しやすいことがあります。 だから、鳥インフルエンザウイルスが、人から人に簡単に感染する新型インフルエンザの ウイルスになるんじゃないかと、世界が警戒していました。
でも、今回、新型インフルエンザのもとになったのは、豚インフルエンザです。 豚は、この豚インフルエンザだけでなく、人や鳥のインフルエンザウイルスにも 感染しやすいことがわかっています。
今回の新型インフルエンザウイルスを詳しく調べると、 豚、鳥、そして、人のウイルスと同じ部分があることがわかりました。 この3つのウイルスが混じり合って、人から人にうつる、 新しいインフルエンザウイルスになったと見られています。
豚から始まったと見られる今回の新型インフルエンザは、 鳥インフルエンザより症状が軽いと言われています。 ただ、インフルエンザウイルスは、とても変化しやすい性質を持っていますので、 人から人に感染していく間に、重い症状を引き起こす強いウイルスに変わるかもしれません。 逆に、弱いウイルスになるかもしれません。 どう変化するかはわからないので、やはり、きちんと警戒する必要があるのです。
このため、日本政府は、ウイルスが国内に入ってこないよう、対策を進めています。
空港では、メキシコやアメリカなどからの飛行機に係官が乗り込んで、 乗客に熱やせきなどの症状がないかチェックしています。 また、海を通って、これらの国から来る船についても、 新型インフルエンザに感染した人がいないかどうかチェックしています。
こうした対策は、もともとは陸地が海と接する水際、 つまり入り口でウイルスが入ってくるのを防ぐ対策なので、「水際対策」と言います。 政府は「島国の日本では効果のある対策だ」としています。
それでもウイルスが入ってきた場合、今のところ、タミフルやリレンザという、 インフルエンザの薬が効くと言われていますので、こうした薬を使って治療が行われます。 また、新型インフルエンザを予防するためのワクチンをつくる準備も進められています。
私たちも、一人一人が新型インフルエンザにかからないよう、注意をする必要があります。 当たり前と思うかもしれませんが、うがいをしたり、手を洗ったりといった対策がとても重要です。
外国から帰ってきた後に高い熱が出たりして心配な場合は、すぐに病院には行かずに、 保健所などにある相談センターに電話してください。 万が一、新型インフルエンザにかかっていても、他の人にうつさないためです。 流行を防ぐためには一人一人の注意が重要ですね。
新型インフルエンザ、まだ、どんな病気かわからないことが多い、というのが、本当のところです。
まだまだ拡大していくでしょう。
テーマ:豚インフルエンザ - ジャンル:政治・経済
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