定額給付金
定額給付金というのは「国民の生活を助けて景気もよくしよう」と配られるお金です。 麻生総理大臣が決めました。 一人につき1万2000円、65歳以上と18歳以下のこどもには2万円が配られます。
しかし定額給付金には、2兆円のお金がかかります。 このお金はどこから出るのでしょう。 税金からと思うかもしれませんが、そうではありません。
実は、国のお金の使い方と関係しているのです。
国は毎年、国民のために、どんなお金の使い方をしようか決めます。 これを予算といいます。
たとえば、学校や病院をつくったり、お年寄りの福祉のために使ったりと、 いろんな目的にお金を使います。
いろんな目的に使われる予算のことを、一般会計といいます。
一般会計は、いま80兆円を超えています。 このお金はどこから出るかというと、まず私たちが納めている税金です。 でも、税金はこのうちの半分くらい。
お金がたくさん必要なのに、税金だけでは足りません。
そこで国はどうするかというと、みんなから借金をするのです。 国の借金のことを、国債といいます。
税金が足りないなら、国債をもっと増やせば良いのにと思うかもしれませんが、 借りているお金は返さなければなりません。
国のこれまでの借金の総額は、580兆円と大変な金額です。 これ以上借金もできません。
定額給付金に回すお金はもうありません。 そこで、国が目をつけたのがもうひとつの予算。 一般会計に対して、特別会計といいます。
一般会計が、いろんなものに使える金庫だとすると、 特別会計は使い道が決まっている専用の金庫です。
たとえばお年寄りのための年金。 みんなから保険料を集めて、年金を払っていますね。
年金を払うために集めているお金が、別の目的に使われては困ります。 このように、決まった目的のため、集めたお金は別にして、ハッキリさせたほうがいい。 そこで専用の金庫を作ったのです。
こんな専用の金庫が、いま21あります。 それぞれの金庫は、お金がなくなっては困るので、 万一に備えてお金を積み立てています。つまり貯金のようなものです。
国は、このお金に目をつけたのです。 「この金庫は、貯金がたくさんある。そんなに貯めておかなくても大丈夫だろう」といって、 この金庫のお金を使おうと考えたのです。
このお金のことを、ニュースでは埋蔵金と呼んでいます。 埋蔵金というのは、昔お殿様などがこっそりかくしたお金のこと。 それにちなんで名づけられました。 定額給付金の2兆円は、この埋蔵金から出されることになったのです。
でも、埋蔵金を定額給付金に使うためには、法律を変えなければなりません。 だから、法律を変えるための話し合いがいま国会で続いているのです。
定額給付金については、「みんなにお金を配るより、他の使い道があるのではないか」 という意見もあります。
また、国には借金がたくさんあるといいましたよね。 埋蔵金のような貯金があるのなら、借金を返すために使ったほうがいいのではないか、 という意見もあります。
国がお金をどう使うかは、私たちにとって、とても大切なことです。 それを話し合う国会の議論。 これからもどうなっていくのかハラハラします。 続きを読む
テーマ:それでいいのか日本国民 - ジャンル:政治・経済
|