裁判員制度
裁判員制度が来年の5月始まります。 これは一般の人が裁判に参加するというもので、 先月末、家に「あなたは裁判員の候補者ですよ」 と知らせる通知が29万5千人に届いたはずです。
裁判員はどうやって選ばれるのでしょう。
裁判員制度
ある人が裁判にかけられたとします。 裁判にかけられた人を、被告人といいますね。
「この人は犯人に間違いない。有罪だ」ということを証明するのが検察官。 「そんなことはない無罪だ」とか「罪を軽くすべきだ」といって、 被告人の味方をするのが弁護人。
そして、判決を言い渡すのが裁判官です。 この人たちは、みんな難しい試験に合格した法律のプロです。 日本の裁判は、このように行われてきました。
でも「自分には関係ない」といって、裁判に関心のない人が増えてしまいました。 そこで、「プロだけでなく、一般の人も参加して裁判にもっと関心をもってもらおう」と、 来年の5月から始まる新しい仕組みが、裁判員制度です。
裁判員に選ばれると、裁判官と一緒に話し合って、有罪か無罪かを決めます。 責任重大ですね。
では、この裁判員はどうやって選ばれるのでしょう。
まず、全国の20歳以上の人たちの中からくじで選ばれます。 「あなたは裁判員の候補者ですよ」と知らせる通知が、 先月の28日、裁判所から送られました。 通知が送られたのは合わせて29万5000人です。
でも、届いた人が全員、裁判員になるわけではありません。 たとえば、裁判官や警察官は裁判員にはなれません。 裁判に関係しているからです。 また70歳以上の人や学生、重い病気の人などは断ることができます。 調査票という書類に理由を書いて送り返せば大丈夫です。
さて、来年の5月から、いよいよ裁判員制度が始まります。
ある事件の裁判が決まると、候補者の中からもう一度くじをして、 「何月何日に裁判所に来てください」という呼び出し状が届きます。 この段階で、だいたい50人から100人に絞られます。
ちなみに理由があれば辞退することができるのです。 辞退できる理由は以下の通り。
「親の介護をしなければならない」・・家をあけられないようなときは辞退できます。
「仕事が忙しい」・・ただ忙しいというだけでは辞退できません。 町工場の社長で、自分がいないと仕事に損が出るというような時は辞退できます。
「プロスポーツの選手」・・裁判の当日試合があれば辞退できます。 でもシーズンオフだとダメ。
このほか、旅行に行くとか、習い事があるとか、 子どもと遊園地に行くという理由では辞退できません。
ただ、新婚旅行だとか、習い事の発表会があるなど特別な場合は認められるそうです。
ちなみに、ウソの理由を書いて裁判所に送ったら 50万円以下の罰金になるので、やめてくださいね。
さて、裁判の当日、候補の人たちが裁判所にやってきます。 ここで初めて、どんな事件なのか説明を受けます。
でもまだ、全員が裁判員になれるわけではありません。 裁判官の質問を受けるのです。(面接) たとえば、事件の被害者や被告人の知り合いだと候補者から外されます。 公平な裁判ができないからです。 また、検察官と弁護人は、自分に不利になりそうだと思ったら、 理由を言わずに4人まではずすことができます。 そして最後にもう一度抽選して、6人の裁判員がようやく決まるのです。
裁判は、3日から5日行われます。 ちなみに、裁判員に選ばれた人は、1日1万円と交通費が支払われることになっています。 新しい仕組みが始まるまであと、半年しかありません。
来年の5月は忙しくなりそうですね。
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