株安
日本の会社の株の値段が、先週の月曜日さらに下がりました。
バブルがはじけた後、最も安かったときよりもさらに下がりました。
20年近く前、株の値段がどんどん上がっていました。 しかし、土地の値段が急に下がったことをきっかけに、銀行や証券会社がどんどん潰れたり、 株の値段が下がったりしました。 泡が突然はじけて消えたように、景気が悪くなったのです。
日本の株の値段はそのときよりも、さらに下がってしまいました。 でもアメリカやヨーロッパと比べると、日本はそんなに悪いわけではありません。 なのに、どうして日本の会社の株の値段も下がるのでしょう。
株などを売ったり買ったりして、お金もうけをしている外国の投資家たちは今、株を次々に売っています。 株ではもうからないので、現金で持っていた方が良いと考えるからです。 株を売って現金にして、お金を借りている人に返さなければならない人もいます。
売っているのは、アメリカの会社の株だけではありません。 投資家は、世界中で取引をしています。 日本の株を取引している6割以上が、実は外国人なのです。 こうした人たちが、日本でも株を売ろうとするため、日本の会社の株の値段も下がるのです。
では、株を現金にかえた後はどうするのでしょう。 アメリカは、サブプライムローンで苦しんでいます。 だから、アメリカのお金のドルを持っていてもしょうがない、と投資家は考えます。 「ヨーロッパもだめだし、日本のほうがまだましだ」と考えて、ドルを売って円を買おうと考えるのです。
するとどうなるか。 みんなが円を欲しがると、円の人気が高くなって円の値打ちが上がります。 例えば、それまで1ドルが100円だったのが、2ドルないと交換できなくなる、というようことです。 つまり円高になります。
円の値打ちが上がるのは悪いことではないはずなのに、 これが日本の会社の株の値段を下げているもうひとつの理由なのです。
どういうことかというと・・・。
日本の自動車を、アメリカで売る場合を考えましょう。 1ドルが100円だとすると、100万円の自動車はアメリカでは1万ドルになります。 でも、円の値打ちが上がって100円が2ドルになると、自動車の値段は2万ドルになってしまいます。 日本の自動車が値上がりするので、アメリカで日本の自動車が売れなくなります。 すると、日本の会社のもうけが減ってしまいます。
もうけが減ってしまう会社の株は欲しくない、といって、みんなが株を売るので、 株の値段は下がってしまいます。こうして、日本も含めて世界中で株の値段が下がります。
値段が下がったのをみて、投資家は「もうがまんできない!株を売ろう」と考えます。 そして、株を売ったお金のドルを売って円を買おうとするので円高になり、 日本の会社のもうけが減って、さらに株の値段が下がる・・・。 いまこの悪循環が続いているのです。
このままでは大変です。 そこで麻生総理大臣は経済を安定させるための緊急の対策を発表しました。 他の国もいろんな対策を打ち出しています。
その後株の値段はどうなったか。 「これ以上はもう下がらないのではないか。いまなら安く買える」と考える人が増えてきて、 株の値段は上がっています。
でもまだ安心はできません。 これからも世界が協力していろんな対策を考えていくことが必要です。
テーマ:株式 学び - ジャンル:株式・投資・マネー
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